臀部・ふともも・ふくらはぎ・などに痛み・シビレ・違和感があり、一時的に症状がある場合や、慢性的に症状が続く場合があります。
原因には大きく分けると
① ヘルニア・脊柱管狭窄症・腰椎変形など背骨の異常による場合
② 腰の筋肉や、臀部の筋肉が硬くなって神経が障害される場合
③ 東洋医学的に腎の気が弱くなる腎虚によって、慢性腰痛を引き起こしている場合
などが考えられます。
(症例)1
腰椎変形よる神経痛 (70代後半・男性)
昔から腰痛があり、右臀部からももの後ろにシビレのような違和感があると来院
整形外科では、腰椎の変形が原因ではないかとの診断でした。
年齢的に腰部、臀部の筋肉はかなり硬くなっており、特に右の腰部は板のようになっている状態。
鍼灸施術の灸頭鍼にて、腰部の深いところの筋肉を温熱刺激にてやわらげ、臀部からふくらはぎまでの筋肉をほぐす事により、血液循環の改善を行い、腰から足まで全体が温まる事で、シビレが改善しました。
神経痛は、冷えると悪化する場合が多いので、腰をホッカイロ等であたためるようにお伝え、3か月ほどの施術にてほとんど気にならなくなり、予防のため、月に1度の施術を継続。
(症例)2
臀部の筋肉硬化による神経痛 (60代女性、美容師)
左の臀部からももの後ろにかけて違和感があると来院。
美容師は立ち仕事なので、常に腰部・臀部の筋肉の緊張が続き、頭頂部をカットする時に少しつま先立ちになる為、特に臀部の筋肉の緊張が強く、臀部の深いところの筋肉(梨状筋)が硬くなり、神経障害が出ていると思われました。
足~臀部~腰の鍼灸施術、特に臀部の施術を中心に行い、脊椎の歪み調整、股関節の回転運動などを併用し、症状が軽減。
予防として、股関節の運動を行いながら、臀部の筋緊張が慢性化しないよう臀部の違和感を、少しでも感じたら、来院して頂いています。
(症例)3
急に起きたシビレ (50代・主婦)
左の骨盤から臀部、ももの後ろまでがシビレていると来院。
数年前の腰痛時に、ヘルニアの疑いがあると、整形外科にて診断された事がありましたとの事。
左側の背中から腰までの筋肉全体が硬くなっており、骨盤の歪みが顕著に見られました。
鍼灸施術にて背中から腰、臀部までの筋緊張の緩和と、脊椎調整、骨盤調整を行い症状が軽減。その後数回の施術でシビレがおさまりました。
原因としては、最近スポーツジムに通い初め、その頃から違和感があり、慣れない筋トレにより左の身体全体に無理がかかった事や、筋トレ後のストレッチ不足により筋肉が硬くなっていたようです。
(症例)4
慢性腰痛と臀部の痛み (60代・男性)
数年来の腰痛持ちで、疲れてくると左の臀部が痛みだすと来院。
東洋医学的には、腰痛の原因として腎の気が弱くなる腎虚があります。
特に体の疲れがひどくなると、腎気を消耗してしまい、腰痛がひどくなります。
この方の場合も、腎虚が著名に現われていました。
治療は腎気を補う為、足太陽膀胱経と足少陰腎経を中心に鍼灸施術。
さらに、硬くなっているももの後ろとふくらはぎを、灸頭鍼にてあたため筋肉をほぐし、腰と臀部に運動療法を行いました。
治療後は下半身全体が軽くなり、腰、臀部ともに痛みが軽減しました。5回目の施術で痛みが消失したので、月に1回のメンテナンスで良い状態を保っています。
この患者さんの場合は、毎日の仕事で疲れが溜まってしまい腰痛が慢性化しているので、毎日の疲れをためないように、入浴の際は必ず湯船の浸かるようにお話ししました。