腰痛は、「急性症状」と「慢性症状」にわけられます。
急性症状・・・主な原因はぎっくり腰です。
急に重いものを運んだり、身体をひねったり、落ちたものを拾うときなどに、腰部の関節捻挫や筋肉の損傷、筋膜の炎症が起こり、急激に痛みがあらわれます。
代表的には、筋筋膜性腰痛、椎間板性腰痛、椎間関節炎などがあります。
慢性症状
●不良姿勢による骨盤の歪み。
①足を組んで座る ②お尻を前にずらして座る ③横座り ④中腰姿勢の持続
●ぎっくり腰からの痛みの継続
●圧迫骨折後の痛みの持続
●長時間の自動車運転や立ち仕事
●腎虚による慢性痛
代表的には、椎間板ヘルニア、すべり症、分離症、圧迫骨折、脊柱管狭窄症
などが考えられます。
又、腰痛は85%が原因不明と言われています。
(症例)1
筋肉疲労による腰痛 (60代主婦)
今日の朝起きたら腰が痛く、前かがみの状態で来院。
問診では、昨日庭の植木鉢をいろいろ動かしたりしたとの事で、その日はまったく痛みがなく、夜少し身体を反る時に違和感があり朝ベッドから起きた時に痛くなっていた。
普段使わない筋肉を使い過ぎたために、筋肉疲労をおこした典型と思われます。
腰の筋肉のはりが強く、臀部、ももの後ろ、ふくらはぎも硬くなっており、足から腰にかけて3回ほどの施術で、痛みがなくなりました。
筋肉疲労の痛みは作業後に、ストレッチなどで予防をすることができますので、簡単なストレッチ方法をお伝えしました。
(症例)2
中腰姿勢よる慢性腰痛 (40代女性・介護職)
以前より慢性的な腰痛があり、最近特に痛みが強くなってきたと来院。
朝起きた時、少し痛みがある程度なのが、夕方になると痛みが強くなってきて仕事がつらくなってくる。
仕事柄、中腰姿勢での介護が多くなり、慢性的な腰の筋肉疲労、骨盤の歪みが原因になっていると思われます。
足~臀部~腰の鍼灸施術、操体法による筋肉バランスの調整、脊椎の歪み調整を行い痛みが軽減。
又、筋膜のつながりから、後頭部や足裏も硬くなりやすいので、後頭部、足裏にも筋膜施術を行い、特に中腰姿勢は大腰筋が疲労するので、念入りに施術しました。
女性の場合は腹部のインナーマッスルが弱く、慢性化しやすいので簡単なインナーマッスルの筋トレをお伝えし、肩こりと同様に定期的な施術とセルフケアにて痛みのコントロールをしています。
(症例)3
全身疲労からくる慢性腰痛 (60代男性・建築関係)
朝起きてから夜まで腰痛があり心配になり、整形外科で検査しても異常がみられづず、友人に勧められ来院。
からだのチェックではお腹に力がなく、腎の気が弱っていると思われました。
仕事が忙しく、からだの疲れから腎の気が消耗されていたようです。
治療は腎の気を補うよう足少陰腎経と、からだ全体の疲れをとるのに足陽明胃経、足太陰脾経、足厥陰肝経の鍼灸施術。又、腎臓の裏にあるツボ、腎兪に灸頭鍼を行いました。
施術後はからだ全体が温まり楽になったとの事です。
建築関係のお仕事は、からだを酷使する事が多いので、疲れを溜めないようにする事が大切です。